6軸プレス「圧姫」の検収報告

3月18日(金)に住友重機械の新居浜工場で、6軸プレス「圧姫」の検収を行ってきました。ちょうど1週間前の11日に東海でPLANETのファーストビームを見に行って大地震に遭遇したことから、今回は何も悪いことが起きぬよう念じつつ、松山から愛媛大の山田明寛さんの車で新居浜に向かいました。工場に着いてまず、中心となって設計をしてくれた田幡さんの説明を受けた後、「プレスは前日にやっとペンキを塗ったばかり」と言われて、上下の服もすっかり着替え完全装備をして現物を見に行きました。1時間ほど遅れて、COEの会議を終えた愛媛大GRCのメンバー5名(入舩、鍵、井上、西山、丹下)も駆けつけ、関係者7名でいろいろと出来を見せてもらってきました。



工場に入ると、このような形で本体が鎮座していました。


プレス本体は、微動機構を備えたステージと計測用のフレームの中に据え付けられる予定です。これだけのものが入ると、PLANETのハッチ内はかなり狭くなってしまいそうですが、仕方ありませんね。また、写真下部に映っている移動用のレールやプランジャー、ホースラックなどがハッチ内の床面を覆ってしまいますので、重量物の移動にラックや台車は使えません。井上さんが登ろうとしているところがビーム下流側で、試料の出し入れなどはこちら側から行い、中性子カメラもこのステップ上に設置される予定です。


中心部はアンビルのガイド機構などが付いていますが、水平面内はコーン状の部分をかなりそぎ落としてあるので、思ったより広い空間が確保されています。アンビルの交換を山田さんにテストしてもらいましたが、2分割した留め具が使いやすく、アンビル交換も比較的容易そうでした。6つの軸は服部さんの指定通りにカラフルに色分けされていました。


というわけで、無事視察、検収を終え、記念写真を撮りました。
今後、新年度に6軸プレスを制御するプランジャーポンプシステムの契約を結んで製作に入り、夏頃には高圧プレスとしてのテストを行う予定です。ただ据えつけ先のJ-PARCが、まだ被害の状況も明らかではないものの、再立ち上げまでにはかなりの時間を要しそうなことから、高圧中性子実験がいつ可能になるかは予断を許しませんが、大きな目標に向かってこの先も努力を続けていきたいと思います。今後とも、皆さんの一層の努力とご協力をお願いいたします。
[領域代表者:東京大学物性研究所 八木健彦]

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